いつの間にか恋焦がれて、でも届くことはないと思っていた遠い存在の君。だけど、この気持ちに出会えたことを全力で喜び、歌うように力一杯感じたい。そして、大切なあなたへ届けたい。そんな甘酸っぱい青春を駆け抜ける物語を歌った一曲。

Q.01

音楽用語を恋のメタファーにするという発想はどこから?

音楽を作っていて、ふと思ったんです。五線譜とか、テンポとか、メロディという言葉たちって、実は恋愛の心情描写としてすごく自然に使えるんじゃないか、って。メトロノームのようにリズムを刻む鼓動、フラットしていく気持ち、上昇していくメロディ——これらすべてが、恋をしている時の自分の中に確かにあったんです。

だからこの曲では、敢えて音楽という自分が一番よく知っている言語を使って、恋という普遍的な感情を歌うことにしました。音楽人間だからこそ書ける、音と恋の融合を目指したんです。

Q.02

「オクターヴ先の君へ」というタイトルに込めた想いは?

オクターヴって、全く同じ音高なんだけど、別の高さで響く音のこと。つまり、同じ音でありながら遠い——そういう存在になぞらえたんです。君と僕は同じ世界にいるのに、何か別の次元にいるような感覚。近いはずなのに遠い。だからこそ「オクターヴ先」という表現にしました。

また、オクターヴは音の中で最も完全で美しい音程とも言われます。だから、遠く見えても、この想いは純粋で、美しい。そんな二重の意味を込めてつけたタイトルです。

“駆け出した 恋がなりふり構わず”
Q.03

歌詞に散りばめられた音楽用語の中で、特に思い入れのあるものは?

「カンタービレ」という歌詞が一番思い入れ深いです。これはイタリア語で「歌うように」という意味なんですけど、音楽的には「甘く、優雅に」という指示があります。恋する気持ちを一言で表すなら、これなんじゃないかって。甘くて、優雅で、でもどこか儚い。そういう感情がカンタービレには凝縮されていると思ったんです。

あとは「テンポが上がるように焦る気持ち」という表現も、音楽をやってなかったら絶対に出てこないフレーズですね。実際、好きな人を前にすると心拍数が上がる。その心理を楽曲の進行速度で物理的に表現できたことが、この曲を音楽用語で書く意味だったんだと思います。

Q.04

甘酸っぱい青春を描く上で意識したことは?

青春って、本来ネガティブとポジティブが混在しているんですよね。同時に複数の感情が存在する状態。だから、この曲では「喜び」と「もどかしさ」を同じ熱量で歌う。決して泣き曲ではなく、かといって明るい歌でもない。そのグレーゾーンを大切にしました。

水溜まりに映る青空、照れくさいハミング、息を切らして駆け出す心——これらはすべて、青春の中で「きれいだ」と同時に「切ない」と感じるものです。その二つの感情を一度に表現することで、初めて「甘酸っぱさ」って生まれるんだと思います。

Q.05

サウンド面で「恋の鼓動」をどう表現しましたか?

恋をすると、心臓の鼓動が聞こえるようになる。その感覚を再現したいという思いがありました。だからビート面では、規則的だけど少し歪んだドラムパターンを意識しています。メトロノームのように正確ではなく、でも確実にそこにある。それが人間の心臓の動きを表現しているんです。

またストリングスを随所に入れることで、恋をした瞬間のファンファーレのような高揚感を作りました。冷たいシンセと温かい弦楽器の組み合わせが、君への想いが「どうしようもなく熱い」ことを表現していると思います。

Q.06

この曲を聴いてほしい人は?

遠く見える好きな人がいる人。そして、その気持ちに自分自身が驚いている人。恋なんてしたくなかったのに、知らない間に相手のことで頭がいっぱいになってしまった。そういう人に聴いてほしい。この曲は、そういう戸惑いながらも、その感情に全力で向き合う姿勢を歌っているから。

また、自分の好きなことを言葉にするのが下手な人にも聴いてほしい。この曲は音楽用語を使っているから、説明的にならずに感情が伝わると思うんです。もし君がこの曲を聴いてくれたら、僕が君のことをこんなにも想っているんだということが、音の中に詰まっていることを感じてほしい。

青春 音楽 鼓動
Track Information

オクターヴ先の君へ

6th Digital Single · 2025.04.13

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