石を穿つ水のように、たとえ見向きもされなくても、一滴一滴の努力が必ず何かを貫く。4th Digital Single「穿つ」は、自分自身が何者でもなかった時期に書かれた、嘘のない言葉が詰まった一曲だ。ショーケースの向こうに映る自分の瞳を見つめ直し、誰かの物差しではなく自分だけの鈍色の光を握りしめて前に進む。すべての挑戦者の背中を押す力強い楽曲。

Q.01

「点滴穿石」という言葉との出会いは?

水滴が石を穿つという、その執念の美学に心が震えました。目に見える成果がなくても、続けることそのものに意味があるっていう思想が、その時の私を救ったんです。歌詞に「石」「雨粒」「磨かれる」といったモチーフを散りばめたのは、すべてこの言葉に繋がっているからです。

私自身が何者でもなかった時期だったからこそ、その言葉の重みが身に沁みたんだと思います。成功も失敗も手に入れていない、ただ走り続けているだけの自分。でもその走り続けること自体が、やがて大きなことを成し遂げる礎になるんだっていう信念が、この曲の核になっています。

Q.02

「何者でもなかった時期」に書いたとのことですが、当時はどんな状況でしたか?

評価も結果もない、ただの新人。誰からも認識されていない状態で、それでも音楽を作り続けている。その時間が果たして意味があるのか、毎日疑問に思っていました。でも同時に、その疑問を持ちながらも続けるしかないという覚悟もありました。

この曲はその矛盾した心情をそのまま表現しています。「擦れて削れて磨かれた先に輝くものもある」という歌詞は、そんな時の私自身の言葉です。誰かの物差しで測られるのではなく、自分だけの価値観を持ちながら進み続けることの大切さ。それが一番正直に表現できたのが「穿つ」という楽曲なんです。

Q.03

「鈍色の光」という表現が独特です。込めた意味は?

キラキラした、目立つ光ではなく、地味で、でも確かに存在している光。それが「鈍色」です。派手な成功よりも、日々の積み重ねの中で自分自身が放つ、その控えめな輝きこそが本物だと思っています。

誰かの期待や理想の光じゃなく、自分だけの鈍色の光を握りしめて進む。その時の自分の手がどんなに小さくても、その光は絶対に誰かの瞳に映っているはずだと信じています。この曲を聴く人たちが、自分たちの鈍色の光を見つけられたら、それ以上に嬉しいことはありません。

Q.04

ショーケースのメタファーについて聞かせてください。

ショーケースの向こう側に映る自分の瞳、という表現を使ったのは、常に「見られている」という感覚を表したかったからです。音楽業界という限定された空間の中で、自分のことをどう見られているのか。その視線を気にしすぎていた自分がいました。

でも重要なのは、その向こう側に映る瞳が自分自身だということです。つまり、本当に大切なのは他者の評価ではなく、鏡に映った自分の目をどこまで信じられるかということなんです。ショーケースを通して見つめ直し、誰かの物差しではなく、自分だけの価値観で生きることの大切さを歌っています。

“甘ったれがその意志を穿つまで”
Q.05

サウンド面で「穿つ」力強さをどう表現しましたか?

イントロから一貫して、確かな意志を持ったビート感を意識しました。水滴が石に落ちる、その一滴の重さ。小さいけれど、繰り返されることで大きな力になる。その物理的な力強さをサウンドに落とし込みたかったんです。

また、サビに向かって層が重なっていく構成にしました。最初は一滴だけだけど、やがてそれが増していき、やがて大きな流れになっていく。その過程を音の密度で表現することで、聴き手にも「このまま進み続けたら何かが変わる」という確信を与えられたら良いなと思って制作しました。

Q.06

今まさに挑戦している人たちへ、伝えたいことは?

成果が見えないことは、決して失敗ではありません。見えないだけで、確実に何かが変わっている。その信念を持ち続けることが、最後には大きな力になるんです。誰に何を言われても、今流す血は、汗は、涙は、すべて無駄ではない。

この曲は、そういう人たちの背中を力強く押したくて作りました。短期的な成功よりも、長期的な積み重ねを信じてください。あなたが握りしめた鈍色の光は、誰かの瞳にきっと映っています。だから、今この瞬間を諦めず、前に進んでください。すべての挑戦者の背中を、この曲がずっと押し続けたいんです。

挑戦 忍耐 信念 点滴穿石
Track Information

穿つ

4th Digital Single · 2024.10.18

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